プロローグ

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夏。 今日も一段と暑い。 ある男が花と水桶を持って墓の前に立っている。胸には写真入りのロケットが光っていた。 今日はお盆であるため、不思議な光景ではない。 「久しぶり。」 男はおもむろに語りだした。 「君がいなくなって10年立ったよ。早いものだ…。」 男の名は、柊圭輔(ひいらぎけいすけ)。今年で25歳になった。 「あれからいろいろあったよ。」 そう言うと、目を閉じて圭輔は思いを巡らせた。
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