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電話をすると息子がでました。私は『今回は、テストがあんな結果になったけど、残念じゃないんだよ。今あんたがしている勉強は無駄にはならないから。覚えて損することなんて、世の中にはないんだから。』
と言い、自信をとりもどそうと必死でした。
『でもなあ……お父さんに言うと怒られるけどさ、ほんとのこと言うと高校なんかどっちでもいいんだよなあ。お母さんとこに帰りたいのもあるし、数学できたって、社会人になったら使わないよね?』
息子は弱気になっていました。私は息子に言いました。『昔、お母さん行政書士になりたくて、法律や政治の勉強してたときあったでしょ?試験には落ちたけど、あの時勉強したからこそ、今の世の中のことが少し解るようになったし、やって良かったと思ってるんだよ。鬱病がよくなったら、またお母さんチャレンジするつもりでいるんだよ。』『またお母さん勉強するの?あんな難しい何が何だか解らないような勉強を?受かる自信あるってこと?』私は答えました。
『いくら勉強しても、たぶん試験会場にいる人達はきっと、みんな自信なんてないんだよ。だけど、今までやってきたことを無にしないように、自ら己を試すわけさ。自分の知識がどれだけ世間に通用するかどうか……ね…』
そう言うと息子は、納得したように言いました。
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