魔術師

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「ん……」  部屋に鳴り響く耳障りな目覚まし時計、俺は意識を戻しながらそれを止める。突如音が無くなった部屋には静寂が訪れる  鳥の鳴き声が部屋に入るなか、ゆっくりと体を起こした俺、相田 和也(アイダカズヤ)は、開かない目を擦る。そして、先ほど止めた時計の針へと目を移す  それは6という数字を指していた。窓から見える景色が橙色ということは、『6』の意味は『18』時を意味する 「ぬぉぉぉぉぉぉっ!!」  両親が海外旅行中で居ない我が家に、俺の叫び声が鳴り響いた 「さっきの叫び声、近所迷惑だよな」  なんて言ってる場合ではないのだが、俺は素早く支度を始める  現在高校1年生という職業である俺は夏休み真っ只中である。にも関わらず、学校に行かなければいけない理由はただ1つ。そう、補習だ。その補習を見事に寝過ごした自分を馬鹿だと思う  とりあえず、学校に電話をしてどうにかするしかない。俺は恐る恐る携帯を開き、学校へと繋ぐ
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