富男の恋

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富男が素早い手つきで、三台の自動販売機のおつりを探る。   その早さゎまさに神業だった。   「くそ、だめか。」   仕方なく富男ゎ地べたをはいつくばり、自動販売機の下を覗き込む。   !?   キラリと光るものが見えた。 富男が短い手をのばす。   行き交う群衆がそれを冷ややかな目でみていた。 中にゎ石を投げる人もいた。   しかし、富男ゎかまわずに腕をのばす。   他人がなんと言おうと、仕事をやり通す。   まさにその姿ゎ職人だった。   ガシッ!   確かな手応え! 富男ゎそれをひっぱりだした。
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