富男の恋

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富男がひっぱりだしたモノ。 それゎ、この世で本当の金持ちしか手にできない代物…     携帯電話だった。     そして、その表面を埋め尽くすかのように、はりめぐらされている、キラキラと輝くもの…      「ダ、ダ、ダイヤだ!」   富男ゎすぐさま質屋にかけこんだ。   入るなり、携帯をカウンターに叩きつける。   バンッ! 「おい、きみ。このダイヤ、いくらになるかね?」 富男ゎすでに金持ちになった気でいたのか、口調がおかしくなっていた。   唖然としていた店員のオヤジが急に笑いだした!   「おい!なんの真似だい!まさか、それがダイヤだと本気で思っているわけぢゃないだろうな!?そりゃあ、ただの作り物だ!ラインストーンってやつだ!おもしろい奴だな!バツゲームかなんかか!?アッハハハヒィィィッ」   オヤジゎ腹を抱えて机をバンバンと叩きながら、爆笑していた。   「すいません、ゲームに負けてしまったんです。じゃあ。」 携帯をポケットにしまいこみ、富男ゎ店をでた。   この時、この携帯が大恋愛をうみだすとゎ、富男ゎ知る由もなかった。 そして、質屋のオヤジが笑いすぎでこの世を去った事も…
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