終演と過去

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「客がさー。。」 コバは言った。 「客のノリが悪いんだよなー」 確かにそうなのかもしれない。 もっとも、彼らのようなバンドのライブなんて 客といってもその日出演したバンドマンか、 良くても学校や職場の友人くらいなのだが。 「客もそうだけど」 サトが口を開いた。 「やっぱもっと技術磨いてさ、 ちゃんと伝わるようなのやんないと。」 「確かに。。」 コウが応える。 「俺らは今のままだと、 なんか"やりたいことやってるだけ"で終っちゃうもんな。。」 「でもさー」 コバが俯いて呟く。 「具体的にどうすればいーの?」 「「「・・・・。」」」 商店街を無言の風が包み込み 3人は途方に暮れた。 "いつものことだ"
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