終演と過去

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そのバンドはベースボーカル担当が作詞作曲をしていた。 お世辞にも上手いとは言えない歌唱力と それに輪を掛けて上手いとは言えないベース 在り来たりなメロディの曲 唯一の救いはドラムがそれなりだったことくらいか。 そのバンドの活動もまた 良いものとは言えなかった。 客なんて同じ出演者だけ。 曲終わりのまばらな拍手でさえ 苦笑と嘲笑という付録つきだった。 それでも楽しかった。 ライブをするだけで楽しかったのだ。 最初のうちは。
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