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日も暮れ出した頃
商店街の一角に座り込んで
煙草を吸う若者がいた。
「ふぅ。。」
吐き出した煙は無造作に広がり
周囲を白く染めては消えていった。
「どうしたもんかねぇ。。」
呟く彼の眼は虚ろに煙を追い
次に商店街を行く人々を追い
結局自らの足下に落ち着いた。
俯いた彼を見れば誰もが憂鬱になりかねなかった。
「はぁ。。」
彼は確かに憂鬱で、それは間違いなく数分後に現れるであろう彼の友人と
彼の後ろにそびえ建つビルの三階にある空間が原因であることも
また確かだった。
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