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彼の名前はコウ。
本名ではないが
本名である必要もなかった。
細身であることと、目付きがやや悪く、
頭の左半分が金髪であること以外
これといって特徴はなかった。
ガタガタ
不意に背後のエレベーターが動きだし、暫くして男が降りて来た。
「おー、いたいたー」
降りて来た男がコウに話しかけた。
「リハ終わったからオープンするってさー。とりあえず中行こうぜー」
「あー、コバか。わかった。サトは?」
「さぁーしょんべんじゃねー?」
コバと呼ばれた男は気怠そうに煙草に火をつけながら応えた。
「そーか。。」
コウもまた吸い終わった煙草をもみ消し、新しい煙草を取り出そうとポケットをあさった。
「あ、煙草切れた。。買ってくるわ。」
そう言って立上がり歩き始めた。
「おー、じゃー先入ってるわー」
「おー。。」
コウは振り返らずに手を振り近場のコンビニを目指した。
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