お見合い

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 ケーキを片手にテーブルに戻るとお父さんたちは帰るように立ち上がっていた。    ?    「怜斗、私たちは帰ることにしたよ。お店の人にテーブルを変わるように言ったから。帰りは砂衣さんを送ってあげなさい。」    浅葱父は怜斗を見つけるとそう言い、三人を連れ立って行ってしまった。    はぁぁ?  何?    砂衣は浅葱父の言葉を理解するのに時間がかかり、しばしぽかんとしていた。    「…すみません。とりあえず、座りましょう。」    怜斗はすぐさま砂衣に話しかけ、ウエーターに言って席を案内させた。    「すみません。」    席に着くなり怜斗が頭を下げた。    「たぶん、親たちの話は済んだだと思います。後は、私たち次第だから帰ったんだと…。」    ……。    「そうですか。…解りました。帰りは送って下さるんですよね?」    仕方ない。  もう、帰ってしまった以上駄々をこねる訳にはいかない。    「もちろんですよ。」    相変わらず悩殺スマイルで返されました。    「では、この時間を楽しみましょう。」
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