694人が本棚に入れています
本棚に追加
「それにしても、朝から砂衣さんの声が聞けるなんて嬉しいなぁ♪」
うっ。
出た時は不機嫌な低い声だったのにぃ。
「ええっと…。
ありがとうございます?」
「あはは。
面白い方ですね。
ところで、朝はいつもこれくらいに起きるんです?」
「いえ。
いつもは7時に起きます。
朝が弱いのでギリギリまで寝てるんです。
今日はメールに起こされて…。」
「えっ?
私のですか?
ごっ、ごめんなさい。」
謝られてしまった。
不味いこと言ったかな?
「あ~。
私はあまりメールはしないんです。友人からは電話ばかりで。それで、めったに来ないから特に受信音楽の音量を下げていなかったので。」
「…。」
怜斗さんは悪くないって訴えつつ説明をする。が、向こうでは聞いているのか沈黙。
?
「7時5分前に私がモーニングコールをしてもいいですか?」
はっ?
何ですと??
どこからそんなお話が???
「…。」
今度は砂衣が沈黙。
「何か、砂衣さんの声が聞けて嬉しかったんですよ。」
「それに、朝が弱いと言っていたので。少しでもお手伝いが出来たらと思って。」
う~ん。
どうしたもんか。
「少し考えさせてください。」
「解りました。
良い返事を期待してますよ♪」
「それでは、
いってらっしゃい。」
「はい。行ってきます。」
怜斗の弾んだ声を砂衣は無視して電話を切った。
はぁ~
っとため息をついて頭を下げた。
モーニングコールかぁ。
どうしよう。
頭を抱えようと手を動かした時、思い出し携帯を開いた。
7時前…。
布団に潜ろうかと考えたが怜斗との電話ですっかり目が覚めたので、仕方なく部屋から出てキッチンへ向かった。
7時前に起きてきたので母親が驚いていたが無視をして朝ご飯を済ませ、身支度を整えて学校へ向かった。
.
最初のコメントを投稿しよう!