カレカノ開始

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 「おはよう。」    いつもより早く家を出たのでのんびりと歩いていたのだが、登校するにかかる時間はそうたいして変わらない。    よって、早く登校した砂衣にクラスメートはびっくりしていた。    「おはよう。  早いねぇ。何かあったのかな?」    まぁ、普通はそう思うわね。    彼女、私の親友。羽鳥涼子は自分の机に鞄を置くなり私の机にきた。    涼子に私の前の席に座って貰い。    真っ直ぐ彼女を見ると、一つ深呼吸して話し始めた。    お見合いのこと。  付き合うこと。  メールのこと。  モーニングコールのこと。    幸い時間が早かったから全てをHR前に話し終えれた。    「凄いじゃないの!」    涼子は興奮気味に言うと立ち上がり抱きついてきた。    「ありがとう。  メールはマメに見るようにするとして。  モーニングコールはどうしよう。」    本当に困った。  付き合うことにしたにしても昨日初めて会った人に、寝起きの声を聞かせるのか?    嫌だ。    ちゃんと起きてからならまだしも。    まだ、そこまでの仲ではない。    「砂衣はどうなの?  嬉しい?  いや?」    涼子は自分の気持ちを押し付けない。私の気持ちを聞いてくれる。    だから好きだ。    「いや。」    声のトーンを落として言った。    「ははは。  やっぱりね。  私も嫌だもの。    じゃあ、決まりだね。  断ろう。」    「う…ん。  断ってもいいのかなぁ。  電話の最後に  期待している。  って言われたし。」    「いいんじゃない。  砂衣が嫌なら断るべきよ。  無理した付き合いはやめた方がいいわよ。」    「おっとなぁ。」    「経験者は語る。  だよ。」    涼子はそう言うと苦笑いをした。    彼女とは高校からの付き合い。    昔、何かがあったのだろう。
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