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「どう?」
まだ食事中の涼子は目で聞く。
砂衣は頭を横に振ると携帯を閉じた。
仕方なしに返事が来るまでたわいのない話をすることに。
♪♪♪♪♪♪♪♪
と、突然着信メロディーが鳴った。
びっくりして思わず手に持っていた携帯を落とす。
慌てて拾い開けてみると怜斗とあった。
「もしもし。」
「あっ、砂衣さん?
メールありがとう。今、電話大丈夫?
話って何だったかな?」
「すいません。
こちらからかけるつもりだったのに。
モーニングコールのことです。」
「うん。」
「お断りをします。――」
「わかった。」
理由を言う前に言われた。
「嫌だと思うんならそれでいいよ。
まだ、アタックするチャンスはあるんだから。」
先手を打たれた気がした。でも、嫌な気はしない。
何だろう?この感情。
「あっ…あの。」
「ん?」
「ごめなさい。」
「何で?
砂衣さんが謝る必要はないよ。
私が勇み足をしただけだから。」
少し笑いながら言ってくれた。
電話をくれたことに礼をするとじゃと言って切れた。
ふぅっと少し顔をほころばせて携帯を閉じると。ニタニタと自分を見る涼子に気が付いた。
「仲がよろしいことで。」
手を口にやってぷぷぷと笑われしまい。反論するどころか思わず顔を赤くしてしまった。
そんな砂衣を見て涼子は心の中でおめでとうと言った。
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