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モーニングコールを断ってから、せめてメールは早めに返そうと思い、涼子に手伝ってもらって携帯のチェックをマメにした。
絵文字のない文章は寂しかったのでなるべく使い、自分の感情を表現した。
そしてそんなこんなで二週間がたっていた。
送られてくる内容も面白く、今では心待ちにしているくらい。
お見合いから会ってはいないけど、毎日のメールと時折くる電話で話しているから寂しいとは思わなかった。
隣にはいないけどいるような感じ。
《明日、空いてますか?》
今日は金曜日。
お弁当も食べ、食後のお菓子も食べ終えてお昼休みも終わる頃、メールが来た。
涼子と約束はしてないし、親も何も言っていなかった。
《空いてますよ? 何ですか?デートのお誘いですか?》
冗談も言えるようになったので言ってみた。
《そうですよ。》
えっ?
《先に言われてしまったなぁ。》
参った参ったっと聞こえる。
えっ?えっ?
マジですか?
冗談だったのに…。
驚きながらも、メールを何回も見つつ本当にデートに誘われたんだと実感した。
嬉しいのと不安なのと入り混じった気持ちで午後の授業を受けた。
授業が終わり放課後、早速涼子に報告。
「良かったじゃない。」
手放しで喜んでくれた。
そして、携帯を開けてみるとメールが来ていた。
《明日の朝、9時に迎えに行きます。 遊園地に行って楽しみましょう。》
わぁお!
遊園地?しばらく行ってないんだ。
楽しみじゃん!
「楽しみましょう?
いい人だね。
楽しんでおいで。」
もう、私の頭の中では何から乗ろうか迷い中。
「砂衣。楽しんでもいいけど、ちゃんと服装にも気を付けなさいよ。
いーい、デートなんだからね。
忘れちゃあいけないよ。」
はい…。
忘れてました。
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