初デート

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 園内を1時間歩いて探したけど見つからない。携帯には連絡なし。    喉が渇いたから自販機でお茶を買おうとしたら声を掛けられた。    「あら?  怜クンと一緒にいたガキじゃない。」    声の主を見ると、私たちと同じ行動をして会話に入ってきたお姉さんの一人。    「まだいたの?  怜クンは晴香たちとお昼を食べてたわよ。」    えっ?    「ばっかじゃないの?」    嘘だと思うなら行ってみたら?    そのお姉さんはそう言うとくすくすとバカにした笑いをしながら立ち去った。    嘘、嘘。    今度はそう叫びながら教えてもらったレストランに向かった。    そこは歩いて5分くらいですぐに着いた。    中には入らずちょっと離れて中を見た。    …いた。    怜斗さんの周りに女の人が3人。    テーブルには食事をした後があり、4人仲良く喋っている。    女の人だけでなく怜斗さんもニコニコと機嫌よく笑顔。    何してんだろう?私。    帰ろ。    レストランの方を向いていた体を反転させ、出口に向かった。    途中、携帯を開き。    怜斗さんの登録を      『怜斗さん』    から    『浅葱さん』    に変え   メール受信音、電話着信音を無音にし青色にひかるのを光らなく    し直した。    携帯を閉じると鞄にしまい、誰からの着信がなかったので家に着くまで出さなかった。    家に着くと、すぐに部屋に戻り部屋着を持ってシャワーを浴びに出た。    途中居間で両親がテレビを見ていたのでただいまと言ったが、私の顔を見て何も言わなかった。       .
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