拒絶

4/4
前へ
/41ページ
次へ
 「まだ、私は嫌われていないんですね?」    ちょっと声が強ばっている。    「それ以前の問題です。」    「…。」    「そちらが無理にでも自宅に来たり、電話をかけたりと接触すれば。嫌われますね。」    「……………。」    「これからのことを決めるのはお二人です。その話が出来るまで待ってください。」    「わかりました。」    「ありがとうございます。」    「伝えてください。ちゃんと待ってますから。と。」    「わかりました。」    涼子はそう言うと通話を切った。    「…。」    残ったのは重い空気と無言だけ。    「忘れないで。」    ボソッと呟いた声に反応する。    「急にいなくなったら誰だって心配するのよ。」    携帯を閉じると手渡してくれた。    「メールの内容と、着信時間もちゃんと見なさいよ。  数が多いのは心配してる証拠よ。」    携帯を受け取ると、立ち上がった涼子はそのままドアの方に歩いていく。    「着信やメールが嫌がらせじゃなかったってわかったでしょう?  ちゃんと向き合いなさいよ。」    そう言うとバイバイって帰って行った。    帰り際お母さんに    ――もう少しほかっといてあげてください。――    って言ったって。      涼子には本当感謝してる。         .
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

694人が本棚に入れています
本棚に追加