調理部結成

11/20
前へ
/65ページ
次へ
他の部員達は、今まで何をしてきたのか、頭は茶色か金髪。短髪なのは二人のみ。 ちなみに顔は、どこにでも居そうな、ヤンキーのように強面で最悪だ。 「アンタ名前は?」 「成宮頼太です。」 「バレー経験は?」 「授業でやった時以来。」 「あんまり期待はしない。」 ヘラヘラと笑いながら頷く頼太に太一は薄く笑い、前髪を上げて、ヘアゴムで止める。 そんな二人を扉の隙間から見ていた、亜子と奈々は慌てた。 「ちょっとちょっと!なんなのよ、この展開!バカみたいにトントン拍子に話が進んでんじゃない!!」 「太一が危ないー!ちょっとちょっと!本当に成宮くん大丈夫なんでしょうね!?」 「こっちが聞きたいわよ!」 ワタワタと忙しそうに口を動かす二人をよそに、いつの間にか始まった試合は、頼太と太一がリードしていた。 「湯沢さん!」 相手から来た、速い球をなんなく取った頼太は上手い具合にトスを上げ、太一がスパイクを打つ。 バシィンという音を立てて、相手チームの腕に直撃し、球はコートの外に行ってしまう。 「ナイストス。」 「ナイススパイク。」 パンッと手を叩き合う、頼太と太一。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加