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キーンコーンカーンコーンという授業の終わりのチャイムが鳴り終わり、各生徒達は、部活に行ったり、帰宅したり、委員会に行ったりと色々している。
そんな中、ボーっとして席に座る、一人の男子生徒。
少し癖のある黒い髪に黒いフレームの眼鏡を掛け、学校指定の黒のブレザーにグレイのスラックスを着た、どこにでも居そうな一人の男子高生はある事に悩んでいた。
元来、その男子高生が通っている高校は、有名私立。
ある目的を果たすべく、毎日毎日死ぬほど勉強して受かった高校。
そのある目的というのは、お菓子研究会。
「はぁ…。」
この男子高生、成宮頼太(ナリミヤ ヨリタ)はお菓子作りが大好きで、お菓子研究会がある、この私立の高校を受けたのだ。
だが、そこには問題があった。
「知らなかった…。まさか、お菓子研究会が女子限定だったなんて…。」
そう。
お菓子研究会は、男子禁制。女子の聖域だったのだ。モチロン、どうしても入部したいと申し出したのだが、良い返事はもらえなかったのだ。
「…なんで、男子禁制なんだよぅ…。」
先ほどから、何度も何度も、吐いているはずの溜息は尽きる事なく出てくる。
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