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「…入学して、まだ二週間も経ってないけど、退学しよ…。」
段々、ネガティブになってきた自分にすらどうでもいいやと思ってしまう頼太は、机に掛かっているカバンをだるそうに掴むと、窓の閉め忘れのチェックや、窓を覆い隠していたカーテンを開き、最後に教室の電気を消して、教室を出た。
「だいたい、この時代に男子禁制の所があるのは、更衣室とシャワー室とトイレぐらいなもんなのに、なんで、部活まで男子禁制。」
いや、運動部の大半は、マネージャー取ってるけど、そのマネージャーは女子。
試合には間違っても出させてもらえない。
そう思うと、男子禁制と言われても、素直に「分かった」と言うしかない。
「…男子でもOKなとこ、ねぇかな…」
「何が?」
ボンヤリと歩いていたせいか、全く人の気配を気にしていなかった頼太は、まさか、自分の隣をとんでもなく可愛い女子高生が歩いていた事など気にも留めなかった。
少し、驚きの声をあげたものの、すぐに平常心を取り戻す。
「何が、男子でもOKなとこ?」
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