調理部結成

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腰まで伸びている艶やかな髪はまるで墨が流れているようだ。クリッとした円らな瞳も黒く、学校指定の制服、黒のブレザーに赤いチェックのプリーツスカートがよく似合う。頼太は世の中、こんな美少女が居るのか、と感嘆した。 「…え、と…。」 その美少女に、お菓子研究会の事を話すと、頼太は笑われた。 バカにされたのかと思い、いじけていると、背中をバシバシと叩かれた。 「バカにしたんじゃないわよ。今時そんな部があったんだぁって思ってね。」 「あ、そうなの。」 少し涙目になっている頼太は、さっき美少女に叩かれた所が地味に痛かった。 「ねぇ!成宮くん。」 「あれ。俺、名前教えたっけ?」 「ちょっと!同じクラスでしょ!」 そうなのか。それは失礼な事をしたな。と思うが、こんな美少女が自分のクラスに居たのかと少しばかり驚いた。 お菓子研究会に入る事に夢中になっていた自分を、頼太はなんだか情けなく思った。 「私、露木亜子(ツユキ アコ)よ。」 「へぇー。」 そういえば今日は確か、クッキーを持ってきたはずだ、と思いながら、亜子にヘラっと笑いかけると、頼太はカバンの中身を荒らし始めた。
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