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まぁね。とヘラヘラ笑う頼太は、廊下を歩き出した。足は確実に玄関から遠ざかっていっている。
あんな事言っていたものの本当は心当たりあるのではないか。と亜子は少し安心しつつ、頼太を追い掛けた。
「どこに行くのよ。」
「とりあえず、運動部のマネージャーあたりに。」
「は?」
意味がわからないと、訝しげな顔をして頼太を見れば、ヘラーと笑っていた。
暢気なものだ。これで部員が集まらなかったら、同好会すら作れないというのに。
「あのね、露木さん。今放課後なの。教室行っても人が残ってるとは限らないんだよ?どうせ、教室行って無駄足になるぐらいだったら、運動部のマネージャーに会いに行った方が確実なの。」
「……あんた、意外と頭良いのね。馬鹿そうに見えるのに。」
「失礼な!」
一応、偏差値がバカ高い高校に正規で入学してる頼太は、頭は良い方だが、雰囲気と暢気な性格がそうは思わせない。
体育館前に着くと、仕事をサボってるマネージャーが一人。
化粧に力を入れていた。
明らかに男目当てだとわかるその女はケバい。
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