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亜巳は恋愛に対し、『恋人にはこぅ在って欲しい!』と、真剣な表情でそんな思いを伝えながら、確認するように力強く尋ねた。
「私ウソとお世辞は嫌いですっ!
それに正直‥‥
この敬語も苦手なんですっ」
『だから?』と、首を傾げる大地を視界に入れて続きを話す。
「それに本当にわがままで、メール等の返事がないと呆れる位しつこい女になりますよっ!」
「それだけ想ってる証拠だと思えば嬉しい事じゃん?‥‥
ごめん」
急に謝る大地が気になり、亜巳は視線を大地へ戻した。俯きながら止まった大地。何かを考えているようにも見えた大地の姿は、亜巳の中で、弱い男のイメージに変わっていた。
「どぅしました?」
「え?‥ なにが?」
軽い亜巳の質問に対し、今度は大地が亜巳から目を反らした。それも挙動不審になったようにレストラン内を見渡している。
「どぅして謝ったのかなっ? と思って‥‥」
亜巳は目を反らす大地の視線を追いながら、静かに尋ねた。そして、わざと大地の目を奪う為に立ち上がる。
案の定、大地は急な亜巳の行動に対し、驚いたように見上げて一人小声で呟いた。
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