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「帰るか…」
俺は助けた時の代償のペンキがついた右の手と腕を見てため息をついた。
「助けたのはいいけど触っちゃったのは失敗したな」
多分同じ歳くらいだと思うけど……ってもう会う事もないか。
「それにしてもなんだったんだろ。助け損?いや、助ける事に損とかはないよな」
俺は自問自答で自分を慰めながら家路を急ぐ。
途中俺の右側を見てひそひそ何かを言う人達がいたが、気にしない気にしない。
青い猫型のロボットの道具の変な帽子をかぶって石になったように……何言ってんだか分かんなくなってきた。
とにかく無心だ無心。
家に帰るなりシャワーを浴びて部屋に入る。
ペンキがこびりついていて、落とす為に擦り過ぎて右腕が真っ赤になってしまった。
母さんは服に付いたペンキの事を深く追求して来なかったのは助かったな。
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