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ふと意識が浮上して、大きな布団の中にいる少女は目覚める‥‥夢か、と長めの前髪を掻き上げて。
少々猫っ毛だが、基本サラサラな黒髪は短く‥前髪は長め。その前髪から覗く、鋭い光を宿した赤紫の瞳は少々切れ長。整った顔つきは常に無表情だがアジアンビューティーと呼ぶに相応しい。
黒髪と正反対な真白い肌は美しく、繊細な雪原のよう。十五歳にしては、それなりに発育した体つきをしているが(特に胸とか)少々痩せすぎにも思える。(特に腹とか)その真白い肌を隠すように、今時珍しく真白い着流しを着ていた。
秧鶏 恭子この物語の主人公である。
彼女がいるのは、自室なのだが‥とにかく広い。純和風な和室には必要最低限の物しかなく、壁に掛けられたセーラー服だけ異様な物に思えた。その部屋の中心に彼女の布団があるのだが‥布団もムダにデカい。
部屋の片隅に置かれている、生け花が美しく‥恭子は流れるような視線を向けた。
少し気怠そうに立ち上がり、壁に掛けてあるセーラー服に手を伸ばすと‥自室の中にある浴室に消えていった。
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