--月が綺麗な夜--

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--月が綺麗な夜--

月が綺麗な夜 『何しているんだ』 目の前の男が倒れこんだ瞬間、後ろから男の声がした。 私の手には赤々とした血が付いており、 白いワンピースは、罪人が着る血衣のように染まっている。 手には真っ赤に染められた果物ナイフが握られていた。 何が起こっているのか理解するまでに時間がかかった。 私は、彼に小さな声で一言、言った。 『あなたが悪いのよ。』 そのときだった。 『人が、人が刺されているぞ。誰か、誰か、救急車を呼んでくれ。』 後ろにいた男が目の前の男を抱きかかえ、周りに叫んだ。 周りが騒ついてきた。 私は、その場に立ち尽くし、目の前の男に微笑みを浮かべた。
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