3人が本棚に入れています
本棚に追加
――彼との出会い――
私と彼が出会ったのは、高校1年のときだった。クラスの中心的存在の彼に声をかけられたのは、
まだ、入学して間もないころだった。
『キミの名前なんていうの?』
授業も終わり、下駄箱にいた私に声をかけてくれた。
彼は、クラスの人気者なので、私は、彼の名前が大沢隆一と言うことは、知っていた。
私は、彼に『加川琉美』だと答えた。
隆一は、クラスの人気者でいつもクラスの中心にいた。
そんな彼が私に話しかけてくれるなんて思わなかった。
彼は、私を気に入ったのか、その日を境に、どんどん仲良くなった。
付き合っているのかいないのか分からなかったが、
彼が、私に話しかけてくれるのは、事実だった。
彼が私を誘ってくるときも多々あった。
私は、彼と付き合っていると錯覚していた。
今思えば、それは、私は、ただの性欲処理であっただろう。
高校3年間の間、私は、彼が大好きになった。
でも、彼は、私に対して特別な思いは無かったのだろう。
でも、それで良かったと思っていた。
彼と付き合わなくても学校で毎日会える・・・・
それが、私にとって幸せだった。
でも、彼は、いつも色々な女の子といた。
私は、そんな彼を自分の者だけにしたかった。
そんな思いが彼と私の距離を作っていた。
高校を卒業すると同時に彼と連絡が取れなくなった。
私は、本当に性欲の処理だけの女だったのか・・・と思うようになった。
悲しくて、その日は、枕がびしょびしょになるまで泣いた。
せめて、声だけでも聞きたいと思っていた。
高校時代は、いつも彼に会える・・・でも、今は、会えない。
彼に会いたい。
彼に会いたい・・・・。
そう考える事が多かった。
最初のコメントを投稿しよう!