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「あ…ごめんなさ…」
「いや、こっちこそ前見ていなかったから」
女は笑みを浮かべると、その場にしゃがみこんだ。
どうやら亮司にぶつかった際に、薬を落としてしまったらしい。
亮司はそれを手伝おうと、薬に手を伸ばした。
だがその薬の多さに驚き、一瞬手が止まってしまった。
「手伝わせちゃってごめんなさい」
女は長い髪を耳にかけながら、亮司に向かって微笑んだ。
「いっぱい種類があるからビックリした?」
「あ、まぁ…」
初対面なのによく喋る女だ、と亮司は思った。
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