泣き虫だった昨日にグッバイ

6/6
前へ
/15ページ
次へ
P.M11:30       俺は1人、家路へと向かって歩き始めていた。     「今日はクリスマス~♪街はにぎやか~お祭り騒ぎ~♪」       俺は名曲チキンライスを熱唱しながら今日のことを振り返る。     今日1日がスゴく長く感じた。     後ろを振り向けば、脇田が笑顔を振り撒いていそうな気さえした。     だが、それは所詮妄想に過ぎなかった。     もう脇田はこの世界には存在していない。     俺は後悔してもしきれない。               話はP.M.6:00へと戻る───       脇田が公園を飛び出して10分後       俺に一本の電話が入った。       「はい、もしもし」     「あっ、森山くん、大変なの」     どうやら、脇田のお母さんのようだ。   しかも、スゴく焦っているのが電話越しでも伝わってくる。       「どうしたんですか?」   俺はお母さんを落ち着かせようと冷静に返事をした。       すると、お母さんは間髪入れずに   「今さっき脇田が集団リンチにあって、重体で病院に運ばれたのよ」     まず、俺は思った。 コイツらは親子でも苗字で呼びあってる変態親子だと。       「えっ…本当ですか…」   俺は言葉を失った。       「だから今すぐ病院に来て!」       俺はすぐさま公園を飛び出して、病院へと走り出した。     流れる涙によって視界がハッキリしない。       それでも俺はひたすら走り続けた。       そして、俺は重大なことに気づいた。       「ちょっと、待て。どこの病院か聞いてねぇぞ…」       そう───   二人とも電話でパニクっていたせいで、俺は肝心の病院名を聞きそびれていたのだ。       そして、怒りに身を任せ俺はコンクリートの地面に向かって拳を叩きつけた。         すると、目の前に見覚えのある顔が近づいてくる。       生田だ。       「そんなとこでなにしてんの?俺、今からマック行くんだけど一緒に行かない?」     「マジで?俺ケータイクーポンあるんだけど。」     「マジで?スゲーじゃん。行くっきゃねぇべ。」                 俺はマックに行った。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加