122人が本棚に入れています
本棚に追加
P.M11:30
俺は1人、家路へと向かって歩き始めていた。
「今日はクリスマス~♪街はにぎやか~お祭り騒ぎ~♪」
俺は名曲チキンライスを熱唱しながら今日のことを振り返る。
今日1日がスゴく長く感じた。
後ろを振り向けば、脇田が笑顔を振り撒いていそうな気さえした。
だが、それは所詮妄想に過ぎなかった。
もう脇田はこの世界には存在していない。
俺は後悔してもしきれない。
話はP.M.6:00へと戻る───
脇田が公園を飛び出して10分後
俺に一本の電話が入った。
「はい、もしもし」
「あっ、森山くん、大変なの」
どうやら、脇田のお母さんのようだ。
しかも、スゴく焦っているのが電話越しでも伝わってくる。
「どうしたんですか?」
俺はお母さんを落ち着かせようと冷静に返事をした。
すると、お母さんは間髪入れずに
「今さっき脇田が集団リンチにあって、重体で病院に運ばれたのよ」
まず、俺は思った。
コイツらは親子でも苗字で呼びあってる変態親子だと。
「えっ…本当ですか…」
俺は言葉を失った。
「だから今すぐ病院に来て!」
俺はすぐさま公園を飛び出して、病院へと走り出した。
流れる涙によって視界がハッキリしない。
それでも俺はひたすら走り続けた。
そして、俺は重大なことに気づいた。
「ちょっと、待て。どこの病院か聞いてねぇぞ…」
そう───
二人とも電話でパニクっていたせいで、俺は肝心の病院名を聞きそびれていたのだ。
そして、怒りに身を任せ俺はコンクリートの地面に向かって拳を叩きつけた。
すると、目の前に見覚えのある顔が近づいてくる。
生田だ。
「そんなとこでなにしてんの?俺、今からマック行くんだけど一緒に行かない?」
「マジで?俺ケータイクーポンあるんだけど。」
「マジで?スゲーじゃん。行くっきゃねぇべ。」
俺はマックに行った。
最初のコメントを投稿しよう!