大胸筋に優しいキスを

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マックに到着した俺と生田。 「どうして泣いてんの?」 店に入るなり生田が俺に問いかけた。 「泣いてねぇよ。前歯溶かすぞ。」 自分でも気がついていた。涙で目が赤くなっていたことに。 俺は生田に深くきかれるのが嫌で、泣いてないと嘘をついた。 「泣いてんじゃん。我慢しなくていいんだぜ。もしかして脇田のことでなんかあった?」 生田は止まらずしゃべり続けた。 「バレちゃったか。」 俺は脇田のことを思い出してまた目頭が熱くなった。 生田には正直に話すべきなのか迷った。 「いやなにもない。ってかカストロ議長って意外に尽くすらしいよ。」 やっぱり言えない。俺は話題を切り換えることしか出来なかった。 やっぱり信じたくない。ダルビッシュが夜な夜なサエコと愛し合ってるなんて。 「ゴメン、今日マックいいや。なんか気分悪くてさ。家に生肉あるから赤飯作るわ。先帰るわ。」 ゴメンな生田。俺にはまだすることがあるんだ。
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