あの日の僕らは無我夢中

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ある夏の昼下がり   僕は親友の脇田を連れてヤンバルクイナを買いにペットショップに足を運んだ。   「いらっしゃいませ」   天ぷらみたいな顔をした店員が僕に話しかけてきた。   「今日はなにをお探しでしょうか?」   「ヤンバルクイナを買いにきました。」   僕はブレイクダンスをしながら答える。   「ヤンバルクイナなんておいていませんよ。ここは爬虫類ショップです。」   店員が天ぷらを食べながら対応する。   「じゃあ、オススメの爬虫類ください。」   脇田が呟く。   「おいおい、ヤンバルクイナ育てるんじゃないのかよ。」   俺は脇田に問いかける。   すると脇田はこう返した。   「別にどうでもよくね?俺、実際ペットとかどうでもいいしさ。あ~、ポケモン図鑑コンプリートしてぇ」   脇田はヤンバルクイナに興味すら抱いていないようだ。   すると、店員が   「オススメの爬虫類はゾウガメです。お買い上げなさいますか?」   と問いかけてきた。   「いえ、ヤンバルクイナじゃないなら結構です。今からポケモンするんで帰ります。」   僕は機嫌が悪かった。脇田はヤンバルクイナに興味を持っていないし、なによりゲームボーイの電池が切れそうなのだ。 そう店員に告げてペットショップを後にした。
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