あの日の僕らは無我夢中

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「いらっしゃいませ」   俺と脇田はマックに入った。   店員は二人   若いお姉さんとおばちゃんだ。   脇田はすかさず若いお姉さんのいるほうのレジへと足を運んだ。   「いらっしゃいませ、ご注文をどうぞ」   「あっ、ちゅ、注文…ス、スマイル一つください。」   脇田はお姉さんに激しく動揺していた。しかもスマイルを注文していた。下心が丸見えだ。   「おい脇田、お前やっぱりスマイルじゃねぇか。ヤンバルクイナ頼むんじゃねぇのかよ。」   俺は脇田に今の心境をぶつけた。   改めて考えてみれば俺の言ってることも意味が分からない。   すると脇田が言い返してきた。   「森山よお、マックにはヤンバルクイナは売ってないんだよ。お前も常識くらいわかってろよ。なんでファーストフード店で鳥買うんだよ。」   脇田に裏切られた。 マックにヤンバルクイナ買いにきたのはお前が言ったからだろ。 俺は軽く人間不振に陥った。   すると、脇田がなにやら注文をし始めた。   「あの、すいません、注文したいんですけど…」   少しかわいこぶりながらお姉さんに話しかけている脇田の姿には殺意さえ覚える。   「はい、なんでしょう?」   「モスチキンとスマイルください。」     ……………   脇田‥ここはモスバーガーじゃねぇ     続く
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