そしてひとり

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1ヶ月前の大戦の爪痕 『金の粉』 この光る粉を肺内に吸引すると死んでしまう。 しかし、何故か僕は死ななかった。 恐らく偶然抗体を持っていたんだと思う。 僕は生存者を捜すために世界遺産の平原だった場所を自転車で走っている。 グレーの両目に映す景色は金の粉以外に生きている植物もちらほらとしか映っていない。 あいにく、生存者にはまだ会った事がない。 喋る機会がないので、軽く言葉も忘れて来た。 僕が目指すのは首都だった所。 人口が多いから必然的に生存者がいる確率も高い。 ただ人に会いたい。それだけの為に僕は進み続けている。
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