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自転車をまたいで街へ向かう。
街の方を見ると、光る粉がビル風に煽られて舞い散っているのが見える。
この光る粉が舞い散る姿を見るのは気分が悪い。
嫌な思い出ばかりが頭を過ぎる。
もうじき日が暮れそうだ。
暮れる前に街に着きたい。
僕は自転車をこぐ力を強めた。
「っはぁ…はぁ…はぁ…」
息が上がってきた。
光る粉は口の中でふわっと溶けて無くなってしまう。
その残りが肺に入って来る。
なんともない。
皆が死んでいったのに自分が死なないのが辛い。
この時だけはこんな事を考えてしまった。
「着いた…」
急いだお陰か暮れる前に街に着く事ができた。
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