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「…櫻姫サン……説明、してくださいますよね??……っ…」
凛の声は少し震えていて、
何かを飲み込むように、
私を気遣いながらも……
最大限にキレていた。
「………………………ごめん」
何も、
何も言えなかった。
言えないんだよ。
「…櫻姫サン??分かっていますか?今自分が置かれている状況……。」
「……凛。マヂごめん……。いつか言うから………。マヂ…ごめん…………っ…ひゃっ…!!」
一瞬にしても目の前が暗闇になった。
それと共にふんわりとした凛の優しさが肌に伝わった。
凛に抱きしめられた。
凛、
傷つけて…ごめん。
「…櫻姫サン……。もう、いいです。もう、いいですから……。」
「……んっ……」
何も言わなくても、彼は分かっていたのかもしれない。
いなくなったことにも、
帰ってきたことにも、
まだ言えない理由があるって。
そういった疑問を後回しにして
彼は、
凛はずっと震える私を
抱きしめてくれた。
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