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呂文が城主を務める瑚城に出兵の要請が入ったのはそれから2日後のことだった。
「我らは囮部隊として姜遼軍と高武山麓で交戦する。指揮官は郭邑軍段将軍だ。囮部隊とはいえ我らの目的は1人でも多く敵を倒すことだ。よいな!?」
「おぉー!!」
呂文軍将軍伏児が声を張り上げると兵士たちの士気が上がるのを飛燕は感じた。
飛燕自身も興奮していないと言えば嘘になる。
ついに村を焼き、両親と妹を殺した益圏の軍に仕返しをすることが出来るのだから…。
阿備城の潘老師がこちらへつき、阿備城の陥落、益圏の中心城主姜遼が死んだとなればもう天下は目の前である。
そして自分はその戦に参加することが出来るのだ。
「おい。お前は初陣か?」
突然後ろからかけられた言葉に飛燕が振り向くと青年がいた。
飛燕の弓よりも二回りほど大きな弓を持っていることから同じ弓部隊の人間だろうと飛燕は推測した。
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