僕の居場所

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『なぁなぁケンゴ、ジョウセーの吉田って知ってるか?』 「あぁ知ってるぜ、同じジョウセーの和沢、サシでボコッたんだろ?」 『あぁやっぱケンゴ知ってたんだなぁ』 『なぁなぁケンゴ、吉田とやったらどっちが勝つ?』 『はははっ、馬鹿野郎、ケンゴはボクシングIH(インターハイ)だぜ? 負けるわけねぇじゃん!』 『だよなぁ~』 「まぁな、あいつはあくまで素人だ、俺には勝てない」 『ははっすっげー自信!』 『まぁ当然じゃね?』  そんな会話が聞こえてきた。  今僕はゲームセンターに居る。 しかも夜の街の、だ。  何でこんな僕が夜の危ない街のゲームセンターに居るのかって? 僕には居場所がない。  だから……ここなら……僕の居場所が…………あるかもしれない……  そんなしなくてもいい淡い期待に胸踊らせ、一番最初に寄ったのがこのゲームセンターだ。  昼のゲームセンターなら何度も来た事がある。 だけど夜のゲームセンターはどこか雰囲気が違う、何か格別なものを感じた。  僕は嬉しかったのかもしれない、新しい体験を出来た事が。  とりあえずゲームでもしよう。  僕はテトリスの前にちょこんと座る。 何故テトリスかといえば、これは100円で長く出来るからね。
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