34人が本棚に入れています
本棚に追加
――――――――――――――
ま、間に合った…
あれから小学生以来久しぶりの全力疾走で、寮から歩いて15分の道のりを、たったの5分でやって来た。
もちろん息が上がっていて、挨拶なんてできる状態ではないのは言うまでもない。
ガラッ
「お! 間に合ったな!っということは全力疾走かあ。朝から大変だな。琉依から聞いたぞ。新聞読むなんて、お前本当に高1か?」
背の高い男子がケラケラ笑いながら教室の奥から話かけてきた。
髪を明るい茶色に染め、ピアスはこっから見える限り5つはつけている。
頭悪そう、陽は素直にそう思ったが、なにも入学早々クラスメートから避けられるようなことをする気はさらさらなかったから、口には出さなかった。
「ぼーっとつっ立ってないでこっちこいよ。自己紹介、自己紹介」
最初のコメントを投稿しよう!