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 周りを見渡すと、どうやら音夢で最後のようだ。それじゃ、と思い口を開いた瞬間 「一ノ瀬 陽。4月27日生まれ。牡牛座のB型…………だよね?」  急いで振り向くと琉依がぴったり後ろに立っていた。 「な、お、お前いつの間に…?」 「さっき!」  小さな子どもがいたずらに成功したときのように、にっこり笑った。先ほどとは違って、今度はちゃんと笑っていた。 「さっきもそれ聞いたし。ってか琉依どこ行ってたんだよ。もうすぐホームルーム始まるぜ」  陽が突っ込む前に埜亜が琉依に話しかけた。琉依がごめんごめんと軽く謝っていると担任が入ってきて席につかされた。  陽は不思議に思った。なぜ琉依はあそこまで自分のことを知っているのか……。  琉依に直接聞いて確かめることもできたが、めんどくさがりな性格が邪魔してきたので、おとなしく席についた。  
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