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碧海学園は今年創立したばかりの新しい高校だ。1学年75人の10クラス、各クラス10人以下の少人数制をとっており、希望する講座を自由に受講できる、ほぼ大学みたいなものだ。大学と違うところは制服があることだけ。あと全寮制なところ。
担任はベテラン教師という言葉がいかにも似合う教師だが、きっと今年雇われたある意味新人教師だろう。この学園に詳しいとは思えない。
「さっそく受講の希望調査をしようか…と言いたいが、お前ら全員理事長がお呼びだ。至急理事長室まで、だそうだ」
めんどくさそうに、担任が言った。
理事長。
この学園を創立した人。
陽にはそれくらいしか知らず、まだ入学して2日目なので顔すら覚えていなかった。
みな素直に席を立ちドアへと向かった。陽がドアに手をかけたとき
「あ、やべ、音夢!」
埜亜が慌てて窓のほうに駆け寄りながら
「音夢はなかなか起きないんだ」
と苦笑いで半分寝ている音夢を引きずってきた。
陽は一応全員いるか確認して
「じゃあ、行きますか」
と、俺独りで何したらいいんだよ、とぶつぶつ文句を言う担任を残し、理事長室へと向かった。
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