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静かな図書室に鳴り響く着信音
その持ち主、葵は周囲を気にする事なく携帯を開きディスプレイに映し出される
[着信 兄さん]
の文字が見えた途端、場所も気にせずすぐに出た
「兄さん、終わったの?」
「うん。見回りは終わったよ、応接室来るよね?」
電話越しに聞こえる眠そうな兄の声を聞き小さく笑うもチラリと時計に視線をやる
時刻はすでに六時を回っており図書室には葵の他に戸締まり当番の図書委員が残っているだけ…
いつでも帰れる状態を確認すると時計から視線を外し
「すぐ行くから待ってて」
それだけ伝え電話を切る
と同時に読んでいた本を預けバッグを持つと図書室を飛び出し駆け足で兄のいる応接室来へ…
途中先生にすれ違うも葵が怒られることはまずない
兄が此処の…いや、並盛の支配者である限り葵に発言出来る者はいないに等しいのだから
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