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直也は少し後悔した。
彼女に嫌われたかなあ?
いきなり告白したから、彼女は驚いてしまうに違いない。
彼女の方を見ると、彼女は目から涙を流して。
「それ・・・本当ですか?」
「まあ、嘘じゃ無いよ?俺の気持ちを言っただけだし・・・。」
彼女はさらに泣き出すと、直也に抱きついて来た。
「ヒック、ヒック。」
彼女はしゃっくりが止まらない。
泣き続けている。
だから、直也は抱き締めた。
彼女を包み込む様に抱き締めた。
少しでも、彼女が泣き止むように、彼女が安心出来るように・・・。
彼女が自分の過去を聞いて、直也にしてきた事を、今度は真奈美にしてあげる。
彼女は今にも強く抱き締めたら壊れそうな程に脆そうに感じた。
彼女が泣き止むのは、それから一時間後だった・・・。
「ねえ、直也さん。」
「何?真奈美さん。」
「私達って・・・両想いなんだよね。」
「そうだね。」
彼女は此方を向いて、こう言った。
「貴方が大好きです。私と付き合って下さい!」
彼女は前みたいに告白してきた。
返事?勿論決まってるだろ?
「はい。宜しくお願い致します!」
この日、僕らは恋人同士になった。
それを誓うかの様に、僕らは其処で唇を合わせた。
――これが、僕達のファーストキスだった――。
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