プロローグ

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直也は困った。 人付き合いが苦手と告白→彼女が泣く→気まずい空気に。 これはまずいな。 次の作戦は 無理→彼女は泣く→気まずい空気に。 ・・・どちらにしても気まずい空気になるじゃないか。 次の作戦は、 段階を踏んでからにしよう→彼女は泣かない→普通のまま過ごす。 ・・・まあ、さっきの二つよりはまともかな? 作戦実行 「いきなりは無理だよ。まずは段階を踏んでからじゃないと、付き合っても意味無いじゃないか。」 彼女は少し考えて 「それもそうですね・・・。」 よし、此処までは思考通りだ! 「わかりました。じゃあ、友達から始めましょう!」 「そうそう、ってええええ!」 予想外の展開に少し戸惑う直也。 友達何て作った事は無いぞ。 小学の時は何人かいたけど、それから作って無いし、女友達は初めてだ! すると、彼女は涙目で「駄目・・・ですか?」と言ってくる。 止めてくれ! そんな目で見られたら断れなくなっちゃうじゃないか! 彼女は今にも泣きそうだ。 直也は諦めた。 「・・・解ったよ。」 「それじゃ!」 彼女の顔に笑顔が戻った。 「ありがとうございます!」 彼女は直也に抱きついた。 顔が真っ赤になり、胸がドキッとした。 彼女は良く見ると可愛く感じた。 長いサラサラとした黒い髪、すらりとした体、仕草、全てが綺麗だった。 彼女と付き合う人は幸せなんだろうな・・・。 とりあえず、その日は下駄箱の辺りで別れた。 そして、その日から彼の生活が変わる事になってしまうのは、誰にも予想が出来なかった。
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