薬指

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君のその薬指 空けといてくれないか。   もう少し   もう少しでいいんだ。     いつか僕が 幸せを与えるから。   空けといてくれないか。     あんなやつの為じゃなくて 僕の為の薬指に してくれないか。     なんで 幸せそうなんだよ。   なんで 俺じゃないんだよ。     なんでなんでなんで なんでなんでなんで なんでなんでなんで なんでなんでなんで…       気づくと あんなに白かったドレスは 赤く染まってた。   君は泣いていた。       僕の手の中には 指輪のついた 指が握られてた。     僕は指輪を指から取り 遠くに投げた。  
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