*出逢い*

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彼女がスーパーマーケットで買い物をしていると、目の前にずぶ濡れのまま突っ立ている彼の姿があった。 …もっとも、彼女もずぶ濡れなわけで… 彼女は言葉にならない声を漏らして、大きく目を見開いたまま彼を見つめていた。 先に表情を変えたのは彼。 そして彼の声を初めて聞いた… 『出よう』 その言葉に彼女は首を横に振った。 …でもその振り方は弱々しく、もう一度云われたら頷いてしまいそうだった。  
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