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「じゃ乗って」
「おねげーします」
両親も両親だ。生まれて間もなく喋りだす奇妙奇天烈な赤ん坊から事情を聞いたら簡単に納得したのだ。
今では完全にナチュラルに話し掛けてくれる。
しかし、街中でも赤ん坊が普通に二足歩行をして喋りだしたらパニックになるのではなかろうか。
そう考え、出かける際には必要無いベビーカーに乗りひたすら無言で通す。
これを一年近く繰り返してきた。それならば外に出なければ良いと思ったが、赤羽家では赤ちゃんがいるのに家に置き去りにして買い物をしているなんて言われたらたまったものではない。
それよりもまず、瑞葉自信が外に出たかった。歩けると言っても家の中だけで、ずっと家にいるのも飽きてきたからだ。それよりも早めに外の風景を覚えて慣れておきたかった。
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