一心別体

6/8
前へ
/145ページ
次へ
「頑張ってー!頭まで出てきてるよー!」 「うー!う゛ー!」 今、一人の女性が母親になろうとしている。出産予定日調度に大きな陣痛が来て、急いで掛かり付けの病院へと駆け込んだ。 「産まれました!産まれましたよお母さん!『女の子』ですよ!」 「女の子……あ……あはは……」 女性は感極まって今にも泣きだしそうだ。いや、単純に痛いかっただけなのかもしれないが。 「……あれ?泣きだしませんね」 取り出された赤ん坊が泣き声をあげない。 「ほら!ほらほら!」 助産婦が赤ん坊の背中を何回か叩いた。しかし赤ん坊は泣くどころか微動だにしない。 「もしかしたら……何かの病気?」 「そ、そんな!」
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1011人が本棚に入れています
本棚に追加