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そこにいた人物は充じゃない。
「お父さん…。」
雪乃は動けないでいる。
「雪乃…。」
久しぶりにその名を呼ばれてドキッとする。
「どうして…。」
「俺が頼んだんだ。」
雪乃の父親の後ろから充がきた。
「本当のことを話してもらおうとしたんだ。なかなおりできたらなぁとおもって…。それが、俺にできることだと思ってたから。」
真っすぐ雪乃を見て言う。
「…知らなかった。お前がそんなことを思っていたなんて‥。」
雪乃の父親が口を開く。雪乃はびくっと肩をふるわせる。
「あ……。」
「雪乃!」
女の人が駆けてきた。
「お母さん…。」
雪乃がその人を見て呟く。
「…話していただけますか?雪乃に、本当のことを…。」
雪乃の母親が来るのを確認して充が言う。
「そうだな…。」
父親が雪乃を見る。
雪乃がごくっとつばを飲み、かまえた。
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