えぴそーどとぅー

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何もかもが上手くいってなかった。   何もかもが嫌になっていった。   生きてるのも嫌になっていたんだ。   そんな時、一つの蟻の行列を見かけたんだ。   「このレベルの生物は何も考える頭が無くて逆に幸せかもな。」と、せっせと働く蟻を見て思った。   暫く見て居ると、まるで社会を見ている様な不思議な感覚になり、どうせなら俺は鳥になりたい‥だなんて馬鹿な事を考えて居たんだ。   すると、独り行列から離れ、水溜まりに落ちて、もがいて居る蟻を見つけたんだ。   まるで今の自分みたいだな、なんて皮肉な事を考えながら捕まえてみた。   そしていっそ今捻り潰してやった方がコイツの為なんじゃないか?なんて考えて居たら‥   「痛っ!」   コイツ噛みやがった!   そうか‥コイツも必死なんだな‥   今の俺はコイツぐらい必死になれているのだろうか‥   負けていられない!何故か素直にそう思えた。   蟻を列に戻してあげ、その場を離れようとしたんだが不思議な感情が湧いて来て、ふと足を止め振り向いた‥   「ありがとう」   いつぶりか分からない程、心の底から自然に出た言葉だった。
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