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少女は身を翻すと、歓声が鳴り止みそうにもない森外へ向かって歩き出す。
炎は何でも焼き尽くすって本当らしい。
少女は思い出したように足を止めると、振り返ってくる。
「戦が怖いなら剣を捨てる事ね、ガキ」
そんな悪態を吐かれたというのにも関わらず、少女という炎で樹楊の目は焼かれていた。
過ぎていく時間に我を取り戻した樹楊は、値踏みするような目で地に転がる三本の剣を眺める。
そしてその三本の剣を纏めて持つと、森の木々な立ち並ぶ中へ放り投げる。
「戦が怖くても剣は捨てれねぇんだよ」
舌打ちをし、自分も歓声の渦を目指して歩き出す。
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