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「俺が言いたいのは、何故俺達ような貧乏弱国がそれほどの大金を積んだって事だ」
「何が言いたいんだよ?」
「解らないか、キョウ。大金を積んでまで奴等を雇うって言う事は、だ」
アギの瞳に険しさが彩られ、悔しそうに見つめてくる。
「本気で戦を始めようって事だ。今日みたいな防衛線だけではなく、侵略戦も展開されるだろう」
スクライドは弱小国故に、戦が始まった三十年も前から防衛線を展開してきた。
大陸南西部に構えている弱小国で、昔は広い敷地を占拠していた。しかし、強国クルードによりじわじわと追い詰められ、今となっては後に退けない状況までに悪化していた。
このままではクルードに乗っ取られると焦り出した国王は己の権力を失いたくないが為、大金を積んでまで赤麗を雇ったのだ。
「まぁ、赤麗とは今日が初めての対面だ。戦はしばらくないだろうが、気をつけろよ」
「何で気ぃつけにゃならんのだ」
「赤麗の首領は気性が荒いらしくてな、いくら雇われているからって気に喰わない奴は斬ると豪語していたみたいだ」
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